一番身近な海外展開ー『免税店』

一番身近な海外展開ー『免税店』

厳密に言うと海外展開ではないですが、
「外国人を対象に売上を上げる」
という目的で定められた税制の中でも
おそらく最も身近なものが免税店に関する法律です。

最近、街で
「TAX FREE」
を掲げるお店を多く見かけませんか?


セブンイレブンでも大きくTAX FREEと書いてあったりします。

非常に魅力的な響きです。

なんでこんなに急に増えたのでしょうか?

《政策としての免税店増加》

東京オリンピックに向けて外国人が観光客の増加が見込まれています。

そして、政府としても

「ビジット・ジャパン・キャンペーン」というものを国土交通省を中心に行なっています。

「国内の消費はもう限界だ」
ということであれば、海外に目を向けるのは自然なことです。

ただ、日本の企業が国外に出て行く前に、
「外国の方々に日本に来てもらって日本でお金を使ってもらおう」
ということを推進するためには、一企業の努力ではどうしようもないので、国策としてそれを行なっているわけです。

そうやって免税店増加を国としてすすめているわけですから、きちんと手順を踏めば小さな店舗でも免税店になることができます。

《免税店になるには》

こちらに詳しく書いてあります。

https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/howto.html

いかにも国策で免税店を増やしているというのが伝わってくるサイトです。

消費税の免税店なので、許可を出すのは税務署です。
きちんと書類を整えて提出しましょう。

《注意すべき点》

どんな事業者でも免税店になれるのかというとそうでもありません。

免税店の消費税法上の名称は「輸出物品販売場」といいます。

名称から明らかな通り物販店舗が対象です。
サービス業の店舗は対象になりません。

そして、名称にあるように「輸出」であるというのがポイントです。
つまり、「売った物品が外国に持ち出されるということが想定されている」というわけです。

それで、販売時にはまず

  1. 売る相手は必ず、外国に住む人でなければなりません。
    ※日本人であっても外国に住む人であればOKです。
    パスポートを確認して販売をします。

    そして

  2. 輸出されるように販売します。
    国内で消費しないように開封したことがわかるように包装した上で、誓約書を書いてもらって、出国時にチェックできるようにパスポートに購入記録票を添付して割印します。
    ※誓約を破って輸出しない時は税関で消費税が徴収されます。

    最後に

  3. 販売後には、「①と②のように売った」という記録をきちんと保存しておく必要があります。

《消費税法の説明》

消費税法では、もともと「輸出の際には消費税は免税」とされています。
日本の商品について国際的な競争力が下がってしまうからです。

しかも、輸出事業者は「仕入れの際に支払った消費税」について還付を受けることができる税制になっています。

ただでさえ難しい海外市場の開拓に成功したら、それを支援しようと輸出企業を支援する税制になっているわけです。

免税店の税制は、
「きちんと手続きをした外国人への国内販売は輸出ということにしてあげるよ」
という税制になります。

国策ですすめてますからそこまで厳しいことはありません。

顧問税理士などに相談してすすめてみましょう。

《条文》
(輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税)
第八条 輸出物品販売場を経営する事業者が、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第六条第一項第六号(定義)に規定する非居住者(以下この条において「非居住者」という。)に対し、政令で定める物品で輸出するため政令で定める方法により購入されるものの譲渡(第六条第一項の規定により消費税を課さないこととされるものを除く。)を行つた場合(政令で定める場合にあつては、当該物品の譲渡に係る第二十八条第一項に規定する対価の額の合計額が政令で定める金額以上となるときに限る。)には、当該物品の譲渡については、消費税を免除する。
2 前項の規定は、同項の譲渡をした輸出物品販売場を経営する事業者が、当該物品が非居住者によつて同項に規定する方法により購入されたことを証する書類又は電磁的記録(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号)第二条第三号(定義)に規定する電磁的記録をいう。)を保存しない場合には、適用しない。ただし、既に次項本文若しくは第五項本文の規定の適用があつた場合又は災害その他やむを得ない事情により当該書類若しくは電磁的記録を保存することができなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。
3 輸出物品販売場において第一項に規定する物品を同項に規定する方法により購入した非居住者が、本邦から出国する日(その者が居住者(外国為替及び外国貿易法第六条第一項第五号に規定する居住者をいう。以下この項において同じ。)となる場合には、当該居住者となる日)までに当該物品を輸出しないときは、その出港地を所轄する税関長(その者が居住者となる場合には、そのなる時におけるその者の住所又は居所の所在地を所轄する税務署長。以下この項において同じ。)は、その者が当該物品を災害その他やむを得ない事情により亡失したため輸出しないことにつき当該税関長の承認を受けた場合を除き、その者から当該物品の譲渡についての第一項の規定による免除に係る消費税額に相当する消費税を直ちに徴収する。ただし、既に前項本文に規定する場合に該当する事実が生じている場合又は第五項本文の規定の適用があつた場合は、この限りでない。
4 第一項に規定する物品で、非居住者が輸出物品販売場において同項に規定する方法により購入したものは、国内において譲渡又は譲受け(これらの委託を受け、若しくは媒介のため当該物品を所持し、又は譲渡のためその委託を受けた者若しくは媒介をする者に所持させることを含む。以下この項及び次項において同じ。)をしてはならない。ただし、当該物品の譲渡又は譲受けをすることにつきやむを得ない事情がある場合において、当該物品の所在場所を所轄する税務署長の承認を受けたときは、この限りでない。
5 国内において前項に規定する物品の譲渡又は譲受けがされたときは、税務署長は、同項ただし書の承認を受けた者があるときはその者から、当該承認を受けないで当該譲渡又は譲受けがされたときは当該物品を譲り渡した者(同項本文に規定する所持をさせた者を含むものとし、これらの者が判明しない場合には、当該物品を譲り受けた者又は当該所持をした者とする。)から当該物品の譲渡についての第一項の規定による免除に係る消費税額に相当する消費税を直ちに徴収する。ただし、既に第二項本文に規定する場合に該当する事実が生じている場合又は第三項本文の規定の適用があつた場合は、この限りでない。
6 第一項から第四項までに規定する輸出物品販売場とは、次に掲げる要件の全てを満たす事業者(次条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)の経営する販売場であつて、非居住者に対し第一項に規定する物品で同項に規定する方法により購入されるものの譲渡をすることができるものとして、当該事業者の納税地を所轄する税務署長の許可を受けた販売場をいう。
一 現に国税の滞納(その滞納額の徴収が著しく困難であるものに限る。)がないこと。
二 次項の規定により輸出物品販売場の許可を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者でないことその他輸出物品販売場を経営する事業者として特に不適当と認められる事情がないこと。
7 税務署長は、前項に規定する輸出物品販売場を経営する事業者が消費税に関する法令の規定に違反した場合又は同項に規定する輸出物品販売場として施設その他の状況が特に不適当と認められる場合には、当該輸出物品販売場に係る同項の許可を取り消すことができる。
8 事前承認港湾施設内に臨時販売場(国内及び国内以外の地域にわたつて行われる旅客の輸送の用に供される船舶に乗船する旅客に対し、物品を譲渡するために期間を定めて設置する販売場をいう。)を設置しようとする事業者(第六項に規定する輸出物品販売場を経営する事業者に限る。)が、当該臨時販売場を設置する日の前日までに、当該臨時販売場を設置しようとする期間その他財務省令で定める事項を記載した届出書に財務省令で定める書類を添付して、その納税地を所轄する税務署長に提出したときは、当該期間に限り、当該臨時販売場を同項の規定による許可を受けた輸出物品販売場とみなして、第一項から第四項までの規定を適用する。
9 前項に規定する事前承認港湾施設とは、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第五項(定義)に規定する港湾施設(同条第六項の規定により港湾施設とみなされるものを含む。)のうち、前項の規定の適用を受けようとする事業者が、政令で定めるところにより、あらかじめその納税地を所轄する税務署長の承認を受けた場所をいう。
10 第六項に規定する輸出物品販売場の許可に関する事項その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

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